海外個人旅行に英語は必要だ
トリニダードトバゴ滞在の最終日、トバゴ島のクラウンポイントエアポートへ歩いていく。
泊まっていた「Arthur's by the Sea」から空港へ、歩いてたった10分だ。
フライトは9時10分発の1527便。
クラウンポイント空港は一応国際空港で、ヨーロッパから直接のフライトも多い。
僕のフライトはただ、トバゴ島からトリニダード島へ飛ぶだけで、フライトタイムはたったの20分。
トリニダード島のピアルコ国際空港へ着いて、そこから15時55分発、AC965便でトロントのピアスン国際空港到着が21時、つまり午後9時の予定だ。
ホテルも決めていないが、行けば何とかなる。
つまり今日は飛行機の待ち時間がたっぷりある。
それでというわけでもないが、いつもの通り本を読む。
僕はクラウンポイントエアポートの待合室から、Michael Mooreの「Dude, Where's
My Country?」の読み残した章を拾い読みしていた。
もちろん飛行機の中でも読む。
すると、トリニダード島へ到着して空港ターミナルへ歩いている時、声をかけられた。
「その本は私も読んだわよ。いい本ね!」というのだ。
振り向くと30歳をちょっと越えたくらいの白人美女だった。
そのまま預けた荷物が出てくるのを待ったので、またそれがけっこう時間がかかって、いろいろと話をした。
彼女はNYのキャリアウーマンで、休暇をとってトバゴ島へ遊びに来たのだそうだ。
完全な反ブッシュで、ブッシュの悪口で盛り上がる。
ところで、僕は、正直、徹底的に反ブッシュなわけでもないんだよ。
この本も最初の方は、ビンラディン一族とブッシュ大統領の個人的な関係など、新しい情報があって、刺激的だった。
あとのほうになると、ごく普通の民主党的なリベラルな主張が繰り返されていて、退屈になったんだからね(それで読み残していた部分があったわけだし…)。
でももちろん、世界旅行者というものは、出会った人と話を合わせることはとても上手だ。
ブッシュの悪口から、米国の世界政策の問題点、ホテルのCNNで見たイラクの治安状況など持ち出して、彼女と話を盛り上げる。
「ブッシュが再選されて、米国からカナダへ移住する人が増えているそうですね」と話を振ると、彼女の妹が、カナダへ移りたいというような話になった。
そのときに荷物が出てきたので、「あなたと話ができて、本当によかった」と言って別れてしまった。
ま、あのまま話がもっと盛り上がれば、彼女のニューヨークのフラットに招待されたかもしれない。
そうなると、僕はニューヨークに住み着いてしまっただろうし、身体の相性がよければ、彼女と結婚してニューヨーカーになってしまっただろう。
ちょっと残念だったね。
トロントの空港について、エアポートエクスプレスバスの切符を買って、バス停に立っていた。
すると、今度は40歳くらいの白人男性と目が合って、話が始まる。
同じバスに乗ることを確かめて、どこから来たのかとか、どこへ行くとか、おなじみの旅人の話だ。
彼はカナダの北の田舎町に住んでいるそうだが、トロントのような大都会は嫌いだと言ってたよ。
そこにバスがやってきたので、話は途切れてしまったが、そのまま話していれば、彼の家へ招待されたかもしれない。
なんとなくホモっぽい人だったから、ホモセクシャルなのかもしれない。
僕が彼の招待に応じているとすると、そこは大平原の一軒家なので、僕は逃げることができない。
そのまま彼と結婚してカナダ人になってしまったかもしれないね。
このように、旅先にはいろんなチャンスが待っているわけだ。
でも、よく考えてみると、僕が英語をしゃべれなかったらチャンスは最初からそのドアを閉じている。
旅先ではなにが起こるかわからないが、英語がしゃべれなければ、その可能性のほとんどを拒絶しているわけだね。
これでは、旅に出る意味がないよね。
よく「英語が出来なくても旅はできる」という人がいるが、実は彼ら自身ほとんど英語がしゃべれない(涙)。
英語がしゃべれない人が、英語なしで旅をしても、実は旅の本質は全くわかっていない。
英語がしゃべれないまま旅をしも、旅の入り口をちょっと覗いた程度なんだよ。
参考:世界旅行者は、英検1級、通訳案内業試験(英語)、ケンブリッジ英検特級(CPE)の豪華な英語資格を持っています。
TOEFLはほとんど満点とってますが、TOEICを受けないのは満点取らないと恥ずかしいからです(笑)。
【写真】世界旅行者が読んでいたMICHAEL MOOREの「DUDE WHERE'S MY COUNTRY?」
【旅行哲学】英語ができないならば、本物の海外個人旅行はできない。