tt023 旅先での髪は短い方がいい
髪を短くした2001年@「ホテル加宝」/ロサンジェルス
僕は昔、JTBの「自遊自在」というガイドブックに、面白い米国旅行情報を書いていたことがある。
確か「サンディエゴのYMCAの床屋で米海軍風ショートカットにしてもらった。
その時の料金が6ドルだった。
そこで、チップを1ドル渡したら理容師が大喜びして『サンキュー、サー!』」と手を合わせて拝んだ」という話がある。

これはまるっきりのウソではなくて、そのころ(1998年)確かに6ドルで床屋にいけたんだよ。
おそらくこのときが僕が最初に米軍人風に髪を短くした最初だったと思う。
そのあともロサンジェルスで6ドルで髪を切った記憶がある。
米国の安い床屋の値段はそんなものだったと思うよ。

僕は長い旅を続けていたから、世界各地で床屋に行ったね。
トルコのカッパドキアでは香港のカンフースターみたいなおかっぱ風髪型にされてしまったことがあったね。
同じくトルコのコンヤという町では、顔の産毛を取るのに火を吹き付けられた…。
これは確か、テレビのクイズにもなっていたテクニックだったので、チョー感動したね。

カイロで床屋に行ったら、偶然か、なかなかカッコウいい風に出来上がった。
ケニアから戻ってきたら、同じ床屋で変な髪型にされてしまったこともあったよ…。
一番安かったのが、ネパールのポカラの床屋で、これが60円くらいだったかな。
十年以上前の日本の床屋は、本当に高かったね。
おそらく世界で一番高かったんじゃないかな。
ロサンジェルスの美容「ザ・ヘア」の三浦さんというおばさんが気に入って、LAに行くたびに指名して通っていたこともあったよ。
それでも確かカット料金が23ドルくらいだった。
話が面白いので、チップをうんとはずんでも30ドル。

日本円でも(そのころのレートで)せいぜい四千円くらいだった。
そのころ日本では、普通の床屋にちょっと行けば五千円を超してたからね(涙)。

金がかかる割りに、日本の床屋に行けば必ず変な髪形になってしまうので悩んでいた。
だから、ずるずると髪を伸ばしていた時期もあったよ。

それが1997年ころだったのかな。
この年には北朝鮮にも行ったし、中央アジアへも行った。
共にたまたまツアーに参加していたんだった。
海外旅行のツアーはとても楽で、泊まるところも交通手段もあらかじめ決まっている。
参加者はただそれに乗っかって、ツアー参加者同士で盛り上がればいいだけだ。
ということは、泊まる部屋では熱いお湯も出るし、清潔なベッドもある。

ほこりまみれの道を汗をかきながら、長く歩き回る必要もない。
つまり、髪が長くてもほとんど問題にならなかったんだ。

個人旅行を再開すると、もちろん長い髪では旅行なんかできない。
長い髪は本当に、厄介だし不潔だからね。

昔は、僕が短い髪にする、といってもなにか中途半端だった。
でも、新世紀になってロサンジェルスのロサンジェルスストリートと六番街の角の床屋で「米軍風髪型」にきっちりやられた。
それ以来、とにかく短い髪が大好きになったよ。
短い髪の問題点は、しょっちゅう髪を切らないとだらしなくなること。
ただ最近では、日本でもカットだけの床屋が増えて千円でやってくれる。
千円ならば少々気に食わなくても我慢できるものだよ。
ま、僕は基本的には髪が短ければそれでいい、って感じなんだからさ。
本当は米国みたいに思い切って頭皮スレスレまで髪をカットして欲しいんだが、日本ではなぜかそこまでやってくれないんだよね。
いかにも日本風の中途半端な行動様式が、頭髪のカットにまで及んでいるのかもしれない。
でもまあ、これからどんどん歳を取っていくのだから、清潔な短髪にして、看護婦(看護士)さんや介護士さんに嫌われないようにしようと思うね。

【写真】僕の理想の米国風ショートカット