T&T#027:予約をせずに宿を見つける。
【Comfort Hotel】
旅の本質は日常からはなれた自由さの中にある。
自由さとは、逆に言えば不安定さ、不確実さと言い換えてもいい。
一瞬先にはなにが起こるかわからない、それが旅だ。
旅行者はそれを自覚している。
日常的な、安全、安心、確実、平凡、退屈から離れたものが旅。
もし旅先に日常を引きずるならば、存在する場所が違っているだけで、どこにいようと旅ではない。
例えば米国にいても、国際ケータイ電話で日本と連絡を取り、ノートパソコンで日本の情報にアクセスしているとしたら、それは旅ではないね。
だから、いくら海外経験が多くても、仕事で海外に出ているサラリーマンは旅はしていない。
海外でいくら仕事をしていても、旅は知らない。
これが基本だね。
だから、ホテルも交通手段も、すべて予約をして旅をするようでは、旅はわからないってこと。
もちろん、最初に飛行機に乗るときは、これは予約が必要なので仕方ないけどね。
それでも、今現在でも、本当に空港にやってきて、カウンターで空席のある飛行機に乗って旅に出る人だっているんだから。
僕がついこの前ロサンジェルスで会った名古屋の男性は、旅に出ようと思いついて、名古屋空港に行って、そこでたまたますぐ乗れる飛行機がロサンジェルス行きだったので、その場で切符を買ってやってきてた。
日本国内を鉄道で旅をする時なんかも、ふと思いついて、東京駅へ行って、時刻表を見て、一番早く出る長距離列車に乗ることを決めて、窓口で切符を買うなんてのが、一番カッコいいんだから。
そういう行き当たりばったり、これが本当の旅なんだよ。
だから世界旅行者は、カナダのトロント経由でトリニダードトバゴへいく切符を買ってしまった後で、「宿は現地で捜す」と決めたよ。
世界中でバスターミナルや鉄道駅の近くには必ずホテルが見つかるものだ。
また空港では必ずホテルの案内をしている。
僕は膨大な旅行経験の中で、予約したホテルに泊まったのは、ツアーを除いたら2回しかないと思うよ。
だから、世界旅行者はトロントのイミグレーションと税関を通過して、そのまま「トラベラーズエイド」と看板のでていた観光案内所へと進んだ。
そこのおばさんにホテル(Comfort Hotel)を紹介してもらった。
また、トリニダードトバゴでも、トリニダード島の観光案内所に飛び込んだ。
そこで情報をもらって、さらにそのままトバゴ島の観光案内所まで行ったよ。
トバゴ島の観光案内所で紹介してもらったホテルへ行って泊まった。
帰りのトロントでは到着時間が遅くて、トラベラーズエイドが閉まってた。
でも、その前に並ぶインフォメーションマシンで、ユースホステルの情報を確認した。
そして、バス(エアポートエクスプレス)でトロントのダウンタウンへ行っちゃった。
トロントの12月の冬の深夜にトロントの町の真ん中でバスを降りた。
ユースまで歩いて、そこで交渉して部屋を確保する。
こうやって自分でベッドを見つけて、そして眠りにつくとき、「僕は旅をしているんだなー」と本当に思えるんだね。
これが、日本から予約したホテルにただ行くだけならば、そんなものは、旅なんかではないんだよ。
【写真】トロントの空港で紹介してもらった「コンフォートホテルの室内」
【旅行哲学】旅の宿をその日に見つけて、ベッドに横になる、それが旅の醍醐味。