『寝袋は、盗難予防器具としては役に立たつ』
普通の日本人は寝袋を使うような旅はしません。
そのことについては、『普通の日本人旅行者に、寝袋は必要ない』を読んでください。

長期貧乏旅行でも、まず街角や野原で寝袋で寝ることはないです。
先進国の都会の夜は危険です。

発展途上国はやたら人口が多いので、人に見つからずに野宿は出来ません。
ちゃんとしたキャンプサイトの場合は、テントを借りて寝ることが出来ます。

わざわざ、自分の寝袋を使う必要はないでしょう。
ところが、空港で寝る場合には、寝袋は役に立ちます。

飛行機は本当に使いにくいもので、出発時間、到着時間が都合が良くいくことはほとんどありません。
特に、深夜早朝の出発、到着が困ります。

長期旅行の場合は、空港で寝ないで起きて粘るものです。
というのは、長期旅行だと、翌日に身体を休めることが出来ますからね。

僕もあちこちの空港で、深夜到着したまま起きたまま朝を待ったことがあります。
これは例えば、「デリー空港に深夜到着して、朝まで粘ったこと」なんかですね。

早朝のフライトを待って、「シャルルドゴール空港で一晩寝ずに過ごしたこと」もあります。
デリーの場合は、翌日ホテルにチェックインして、切符の手配などを済ませて、午後にベッドに入って休みました。

ドゴール空港では、翌日、ロサンジェルスへ飛んで、ホテル加宝へ辿り着き、そこでゆっくりと寝ました。

長期旅行では、空港で寝ずに起きていても、翌日に身体を休めればいいのです。
ですから、空港では寝ないほうがいいです。

ぼくの友人には、南米の空港で寝ていて、持って行ったノートパソコンを盗まれた人がいます。
でも彼は、盗難保険で新しいパソコンが買えたと、喜んでましたが…。

長期旅行では、空港で寝ないようにするのが基本。
でも、短期旅行の場合は違います。

例えば、1週間程度のヨーロッパ旅行で、飛行機を乗り継ぐ場合。
もし空港で寝ないでいると、身体が疲れてしまって、観光できなくなるかもしれません。

でも、ホテルに泊まって、深夜、タクシーで空港へ来るとお金がかかります。
こういう場合は、空港で寝るのが旅行費用を安く上げ、身体にもやさしいことになりますよね。

具体例を挙げると、アエロフロートでシェレメチボ2空港でトランジットする場合。
ここには乗り継ぎ客用のトランジットホテルがあります。

僕がアエロフロートでナイロビに飛んだとき(1996)は、ソユーズというトランジットホテルに泊まりました。
このときは、1泊5千円でした。

また、西アフリカのダカールに飛んだときは、トランジットホテルのノボテルに泊まりました。
このときは、1泊1万円でした。

でもそれ以降、ロシアの経済は絶好調で、物価が高騰したようです。
2008年では、トランジットホテルは、どこも1泊なんと、恐るべきことに、「2万5千円」もしています!

アエロフロートでシェレメチボ空港でトランジットをしてヨーロッパ1週間の旅行の場合、一晩をどう過ごすかが問題です。
睡眠をとらないと、短期旅行に身体が耐えられない。

かといって1泊2万5千円のホテルには泊まれない。
そういう場合に、寝袋が本当に役に立ちます。

ゆっくりと寝るためには、椅子の上では無理です。
ですから、床に寝る。

このときに寝袋を持っていって、貴重品ごと寝袋に入って床の上で寝る。
寝袋の中に貴重品が入れられますから、まず安全です。

そのあとの旅行に寝袋が邪魔な場合、ヨーロッパの郵便局から自分に船便で送ったらいいでしょう。
または、寝袋をどこかに置き忘れてもいいし、ユースに寄付してもいい。

実際僕は、ロンドンに寝袋を持っていって、1987年のクリスマス前、パリに旅立つ朝に、ホテルの部屋に置いてきました。
それ以来、僕は一度も寝袋が必要だと感じたことはありません。

ドミなんかに泊まる時は、寝具としての寝袋は不要です。
でも、寝袋の中に貴重品を入れられるので、盗難予防器具と考えると意味があるかもしれません。
それから、日本はどこでも地震の恐れがあります。
地震災害にあって野宿するときのために、寝袋を常備しておくのも必要かもしれませんね。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20081028#p3